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  • 村嶋秀次の雑記帳(所長ブログ)

村嶋秀次の雑記帳(所長ブログ)

  • ~タイでのビジネスの難しさ、面白さ~

    2013/9/29

    blog画像7月、8月、9月とタイのバンコクへ3回出張し、それぞれ3週間程度ステイした。 現地法人を設立して、小職の戦友である駐在員が孤軍奮闘していることもあり、東京での業務が空いたら、可能な限り現地入りしたのである。 タイは、雨季の真っ只中で、毎日のように雨が降り、一部の地域では洪水被害が出ている。100年に1度と言われた洪水被害から2年が経過しようとしているが、政府が中心となって国内各地の洪水対策措置を講じているとは思えない。長年、洪水被害と共生してきたタイ人は、慣れていることもあろうが、洪水と上手に付き合っているようにすら見える。水を大切にするタイ人にとっては、洪水の水も同様なのかも知れない。行政に不満をぶつけることもなく、淡々と日々を生き抜いている。こうしたタイ人の寛容さというか、忍耐力は、今の日本人には欠けてきているのではないだろうか。 さて、現地法人の業務だが、関係する行政機関、銀行等での色々な手続きをはじめ、こまごまとした実務を行うわけだが、時間と労力が日本でのそれとは比較にならないほどかかる。銀行では、同じことをするのに、その度に前回とは違った説明を受けたり、書類を書かされたりする。「マイ・ペンライ」の世界だから、仕方のないことと諦めるより他はないのだが、タイと関わって20年の小職ですら、未だに「いい加減にしてくれよ」と愚痴のひとつも言いたくなる場面がある。その都度「ここはタイだから」と心の中で念仏のように自分に言い聞かせるようにしている。タイで仕事をした経験のある邦人なら、誰でも経験のあることではないだろうか。 そうは言っても、タイには日本にはない(或いは日本が失いつつある)何か魅力があるのも事実だ。両親、年長者に敬意を払う、家族・兄弟が相互に助け合う、挨拶をする、敬虔な仏教徒が多く、早朝から僧侶の托鉢を待ち、頻繁に寺院にお参りをする、生きているものは無暗に殺さない等々である。勿論、衣食住の物価も最近は上がってきてはいるものの、日本のそれに比較するとまだまだ安価だ。 それにしても、タイで顧客に対するサービスが中々向上しない原因は何なのだろうか? 教育、文化、習慣、気質等々かと、戦友と良く議論するが、どうやら我々が日本国内での各種サービスに慣れきっているがために、タイでのサービスに時々満足いかないのではないかということか。確かに日本の顧客へのサービスは、過剰な位に思えることが多々ある。そんな環境で長年過ごしてきていると、同様のサービスを受けることは当たり前と思ってしまうのかも知れない。 ここはひとつ、タイよりも顧客へのサービスが劣悪な国々のことを思いつつ、「マイ・ペンライ」と割り切って、タイの良い所を常にイメージしつつ、現地業務を乗り切ることとしよう。